「被害者」は誰か

今日、野球賭博問題で、ある程度の処分の方向性が固まり、それによって前倒しで名古屋場所の開催が決まった。
しかし、未だに、僕なんかより名の通った専門家でも、「本当に開催すべきか?」と批判する人がいる。
たいてい「出世を目指す若い力士は可哀相だけど」という枕詞がつくが、そんな一言でその大事な大事な若い力士を切り捨ててしまっていいのか。
確かに、あんな体たらくで「国技」を名乗る大相撲を不快に思う人は大勢いるかもしれない。だが、そう思っている人に実害はあるのか?
若い力士は名古屋場所が中止になると出世に向けての実力披露の場がなくなる。十両以上に上がって故郷に一刻も早く仕送りをしたい力士も、単純に考えても2ヶ月延びる。モチベーションの低下も考えれば、さらに出世は遅れるかもしれない。
相撲協会は儲けるべきではないにしても、周辺の街の損失は痛い。今報ステでやったところによると名古屋場所中止の経済損失は200億円という*1
相撲は興行で始まったとはいえ、今はそれを超える存在になってしまった。今や少なくとも、一番優先されるべきは興行の客では絶対にない。「真面目な」関係者だ。部外者はそっと見守っておくべきである。

*1:邪推だが、もし相撲というものがなかったら、業種が絞られている日経平均株価も、JCBのCMではないが、回りまわって5円くらい下がっていると思うw